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ISO22000導入ミニセミナー ・コンサル見積依頼 ・ISO支援実績 ・ISO22000資料請求 ・サンプル食品安全マニュアル販売中

トピックス】 

●弊社の食品系コンサルタント(JFS、ISO、FSSC)には、年1回の検便検査を義務づけています。

●2023年4月1日にFSSC 22000追加要求事項ver6が発行されました。
既にFSSC22000ver5.1を取得されている工場は2024年4月1日から2025年3月31日までの間に新規格に移行することが必要です。2024年4月1日以降のFSSC 22000の登録審査は追加要求事項ver6で実施されます。新規に取得される工場は、ご注意下さい。

ISO22000の説明に入る前によく読んで下さい

※ISO9001での経験を述べていますが、ISO22000でも同じような問題が発生します。ご注意下さい。

私は元勤務先で1999年8月にISO9001を取得しました。
私が初めて作った品質マニュアルと規定は、合わせて183ページもありました。
両面印刷で厚さにして2cm位でした。取得後も、何度も改訂し何度も配付し回収しました。

ある時、疑問がわいてきました。
これって読んだのかな?中に書き込みはないし、マーカーも引かれていない、
汚れるはずの隅が汚れていない。
読んでないんです。夜遅くまで孤軍奮闘しながら作ったマニュアルを誰も読んでいませんでした。それを知った時はガッカリを通り越してガックリしました。

「仕事が忙しく、自分は作れないからヒラカワくん作ってくれ」って言うから、
やむを得ないと思って引き受けたのに、朝早くから夜遅くまで掛かって一所懸命に作ったのに、誰も読まないなんて、そりゃ~ガックリしますよ。
こんな目に会ったら、あなたならどうしますか?

この時冷静になって考えたのです。
彼らはなぜ読まないんだろう?
分厚いのは、読む意欲をなくす。
読んでくれないマニュアルは、役に立たないマニュアル。
役に立たないマニュアルは、いらないマニュアル。
そう思って、徹底的に薄くすることを決意しました。

1年後には、120ページまで薄くできました。
それでも不満でした。半分にしたいと思いました。
その後、どうすればよいか悩み続けました。
6ヶ月ほどしたある時「あっ、これだ。ここが問題だ!」と気づきました。
それをヒントに試しにマニュアルを作ってみることにしました。
3ヶ月後に試作完了、1業種50ページ程度で済むことがわかりました。
このマニュアルを「コンパクトISO」と名づけ、コンサルティングに使って、
多くのお客さんから喜ばれました。

その後も研究を続け、35ページ前後で済むようになりました。
これを「超コンパクトISO」と呼んでいます。
この分量なら短時間で何回も読むことができます。
分かりやすく社内にも浸透しやすく、社内公式のルールとして使えます。
活用して頂くと嬉しいです。

※食品安全マニュアルの場合は、規定を含めて40ページ前後で済みます。

ISO22000 はコンパクトなマニュアルが良い

ISO22000は、全社をあげて食品の安全を確保するための国際規格です。
食品安全マネジメントシステムを構築し、その内容を関係者に正しく伝達するために
食品安全マニュアル衛生管理マニュアルを作ることになります。
それらの分量が多すぎると、様々な問題が発生します。作るのに時間がかかるだけではありません。

  • 読むのに膨大な時間がかかる。
  • 読んでも何が書いてあるか分からない。
  • 自分に必要な情報が、どこに書いてあるか分からない。
  • だれも読もうとしない。社内になかなか浸透しない。
  • 審査員から指摘を受けてもどこに書いてあるか分からない。
  • 修正や改訂に手間取る。配付するのに時間がかかる。
  • 事務局もうまく行かずに投げ出す。

分厚いマニュアルに良いことは何一つありません。
ここでもコンパクトISOの考え方が活きてきます。
コンパクトISOは、形骸化予防にも貢献します。
弊社が推奨する食品安全マニュアルの写真をご覧ください。

ISO22000版コンパクトISO こちらはお薦めのコンパクトISO型の
 食品安全マニュアルです

 薄いので丸めて持てます。40ページ程です。
 他に衛生管理マニュアルを作ります。
 これなら初めて読んでも2~3時間で1回読めます。
 何度でも読めます。← このことは非常に大事!
 マニュアルが仕事のルールとして機能します。
 
  
 こちらは従来型の手法で作られた
 食品安全マニュアルです。

 手順書が多く閉口します。
 1回読むのに1ヶ月以上必要です。
 全部を正しく理解することは不可能です。
 会社全体に浸透しません。
 活動が形骸化する原因になります。
 結果として社内ルールとして機能しません。

なぜ今 ISO22000 なのか?

近年お客様に直接食品を提供するコンビニエンスストアやスーパーマーケットにとって食品安全が最重要課題になっています。小売業界で、万一食中毒が発生したら、テレビやラジオで大きく取り上げられ、その矢面にたたされ信用失墜という大打撃を受けることは
間違いありません。
それゆえにバイヤーは食品安全を確保するため、食品購入先の工場監査を行ったり、
品質規格条件に対して厳しい要求をしているケースを見受けます。

あなたの会社がお客様から「あなたの会社の食品はだいじょうぶですか?」と問われたらどうでしょう。自信を持って「ぜったい大丈夫です」と言えますか?大丈夫を証明するために、証拠を示すことはできますか?

食品事故が発生したとき、それは自社の原因ではなく、配送中の商品の取り扱いに不備が
生じたり、販売店側での保管条件が原因だったりした場合、それをキチンと事由を分析し
わかりやすい説明文で意思表明できますか?

また、取扱い販売店に対し適切な保管方法を伝えていますか?
配送業者を使う場合、配送上の注意点を文書にてキチンと伝えていますか?
外部と情報交換した記録は残していますか?

もし食品事故を裁判で決着することになった場合、あなたはその裁判に勝てますか?

こんな時、食品事故を起こさない取組みをするためには、対策が必要です。
「食品安全を確保するためには、こんなことをやらないといけないよ」と教えてくれている国際規格がISO22000です。
食品安全の取組みをしっかり実施していることを証明する手段の一つとしてISO22000の取得があります。

ISO22000を取得するには?

  1. 食品安全方針を示す。
    まず最初にやることは、社内の意志を統一するために方針を示すことです。
    これは経営者が作成し、周知することが必要です。
    ISO22000ではこの方針を食品安全方針と呼んでいます。
  2. 環境整備から始めましょう。
    環境整備は、整理、整頓から始めます。それが不十分だと、鼠族昆虫の棲み家になったり、清掃が不十分になったりします。
    「な~んだ整理、整頓か」とは思わないで下さい。衛生管理にとっては非常に重要です。

    整理は、いる物といらない物を分け、いらないものを捨てること。
    整頓は、置き場所を定めること。使った物をもとにもどせるようにすること。
    この整理、整頓は事務所を含めて実施します。
    環境整備をすることで、あなたの会社が高収益体質(黒字体質)に変化します。
    続いて、清掃、清潔、洗浄、殺菌を実施します。

    これらを徹底することでISO22000でやるべきことの大半が解決することになります。
    この部分がおろそかだと鼠族昆虫の棲み家ができたり、異物混入の原因になったりします。それだけではありません。苦労して取ったISO22000が形だけで終わってしまいます。そのような会社を沢山見て来ました。
  3. 衛生的な工場にしましょう。
    環境整備と平行して次のことを実施します。
    食品工場内の衛生レベルを上げ、安全性を高めるため清潔で衛生的な工場にします。
    菌を入れない、菌を増やさない、異物を入れない、化学物質が混入しないための活動や
    人の健康管理と教育、鼠族昆虫の防除活動などを実施します。
    また、法律で定められたアレルゲン物質のコンタミを防止し、食品表示を正しく記載して法に適合する製品を生産します。
    この部分を一般衛生管理(ISO22000では、前提条件プログラムPRP)と言います。この部分を文書にしたものを衛生管理マニュアルと言います。
  4. ハザードを分析し重要な管理点を決定する。
    製造工程のどの部分にどのような管理が必要かを知るための活動をします。
    まず、多方面の知識と経験を持つ人を集めた食品安全チームを編成します。
    次にどんな材料や包材を使うのかその仕様を決め「原材料規格書」を作ります。どんな製品を作るのかを決めます。これを「製品規格書」や「製品説明書」にまとめます。食品を製造する工程をフローとして図解します。これをフローダイヤグラムと言います。
    工程フローで定めたステップごとに、どのような危害要因があるかを明確にします。リスク分析を行い、評価して管理手段を選択してどのような管理をするのかを決めます。結果として出てくるのが、オペレーションPRPの管理と、CCP重要管理点です。そしてその内容を具体的に決めハザードを管理する計画書を作ります。これを実施する前にこの内容で良いか妥当性を確認します。
  5. 食品安全マニュアルを作成する。
    管理した結果を検証しうまくいっているか評価します。
    安全性が疑わしい製品が見つかった場合は修正したり、是正したり、回収が必要になった時のために回収手順を定め、演習をおこなって将来に備えます。
    内部監査を実施しルールが守られているかどうか、ルールは今のままで良いかを監査し問題点や改善すべき点が見つかったら改善します。

    これらの他に、人材を育成する、文書や記録を管理する、上に書いた食品安全の活動を運用し、その結果を経営者に報告し、経営者は、もっとよい取組みになるように新たな指示を与えます。そのようなことを決めて食品安全マニュアルを作成し実施します。

…いかがだったでしょうか?
この中には既にやっていることが沢山あると思いませんか?

今、やっていることの意味を理解し、不足があれば補うことと言っても良いでしょう。
言葉をかえていうなら「現在やっていることの延長線上にISO22000の認証取得がある」ということです。
肩に力を入れるのではなく、気軽にじっくり取り組まれるのが成功のコツです。

FSSC22000とは?

最近FSSSC22000というのをよく聞きます。
実はISO22000で求められている一般衛生管理(前提条件プログラムと言います)は「ISO/TS22002や、該当する実施規範や指針の要求を考慮するのが望ましい」と言っています。「使え」ではなく、「考慮するのが望ましい」と言っている点に注意して下さい。
これではISO22000の一般衛生管理はゆるいことになります。

ISO/TS22002-1は、食品製造業の一般衛生管理を統一するために生まれました。
このISO/TS22002-1に書かれたことを守ることを要求している規格があります。
それがFSSC22000です。

単純に言うと次のようになります。
食品工場にとってのFSSC22000は、
 ⇒ISO22000+ISO/TS22002パート1+追加要求事項
食品容器包装製造業にとってのFSSC22000は、
 ⇒ISO22000+ISO/TS22002パート4+追加要求事項
となります。

ISO/TS22002-1では下表の項目について具体的な要求をしています。
その要求の数は186個もあります。

ISO/TS22002パート1が要求している項目
4  建屋の構造及びレイアウト
4.1 一般要求事項
4.2 環境
4.3 施設の位置
5  建物及び作業場のレイアウト
5.1 一般要求事項
5.2 屋内の設計、レイアウト、作業動線
5.3 屋内の構造及び設備
5.4 装置の配置
5.5 試験室の設備
5.6 一時的/移動式建物及び自動販売機
5.7 食品、容器包材、原材料及び非食品化学物質
   の保管
6  ユーティリティー(空気、水、エネルギー)
6.1 一般要求事項
6.2 水の供給
6.3 ボイラー用薬剤
6.4 空気の品質及び換気
6.5 圧縮エアー及びその他のガス
6.6 照明
7  廃棄物処理
7.1 一般要求事項
7.2 廃棄物及び非食品又は危険な物質を入れる容器
7.3 廃棄物の管理および撤去
7.4 排水路と排水
8  装置の適切性、清掃・洗浄および保守
8.1 一般要求事項
8.2 衛生的な設計
8.3 製品接触面
8.4 温度管理とモニタリング装置
8.5 工場、器具、設備の洗浄
8.6 予防保全および改善保全
9  購入した資材の管理
9.1 一般要求事項
9.2 サプライヤーの選定と管理
9.3 納入資材の要求事項(原材料/包装資材)
10  交差汚染の予防対策
10.1 一般要求事項
10.2 微生物的な交差汚染
10.3 アレルゲン管理
10.4 物理的な汚染
11  清掃・洗浄及び殺菌・消毒
11.1 一般要求事項
11.2 洗浄・殺菌剤及び器具
11.3 清掃・洗浄及び殺菌・消毒プログラム
11.4 定置洗浄 (CIP) システム
11.5 殺菌・消毒の有効性のモニタリング
12  有害生物の防除
12.1 一般要求事項
12.2 有害生物防除プログラム
12.3 アクセスの防止
12.4 有害生物の住みかと蔓延
12.5 モニタリング及び捕獲
12.6 駆除
13  要員の衛生及び従業員用施設
13.1 一般要求事項
13.2 要員の衛生設備及びトイレ
13.3 食堂、指定された飲食エリア
13.4 作業着及び保護衣
13.5. 健康状態
13.6 疾病及び負傷
13.7 要員の清潔
13.8 要員の振る舞い
14  再加工
14.1 一般要求事項
14.2 保管、識別及びトレーサビリティ
14.3 再加工品の使用
15  製品のリコール手順
15.1 一般要求事項
15.2 製品回収に関する要求事項
16  倉庫保管
16.1 一般要求事項
16.2 倉庫保管の要求事項
16.3 車両、運搬器具およびコンテナ
17  製品情報/消費者意識
17.1 製品情報
17.2 包装済み食品のラベル
18  フードディフェンス、バイオビジランス、
    バイオテロ
18.1 一般要求事項
18.2 アクセス管理

たとえば「4.3施設の位置」では、次のことを要求しています。


4.3 施設の位置
サイトの境界は、明確に識別すること。サイトへのアクセス(接近)は管理すること。
サイトはよい状態を維持すること。植物は手入れするか、取り除くこと。
道路、作業場及び駐車場は、水溜まりができないように排水し、維持すること。


「~すること」が5つ入っていますね。他に181個の要求があることになります。
要求については、すでにやれている会社、やれていない会社、やる必要がない会社に分かれます。

ISO/TS22002パート1は、「要求のすべてが個々の施設や工程にあてまるわけではない」といっています。ここは重要なポイントです。
まずハザード評価を行って、
 (1)現状で適合している、
 (2)改善して適合するようにする。
 (3)他の方法を適用して問題ないようにする、
 (4)適用除外にする、
の4つに分ければ良いでしょう。

(3)他の方法を適用したり(4)適用除外にする場合には、
ハザード評価した結果を説明できるように文書にしておく必要があります。

食品容器包装製造業に向けたISO/TS22002パート4が2013年12月12日に発行されました。
これにより食品容器包装メーカーでもFSSC22000の取得が可能になりました。
食品包装には、ペットボトル、アルミ缶、軟包装材、食品トレー、紙箱、食品容器、段ボール箱などがあります。
「我が社は、衛生的な食品用包装容器を提供できる会社です」と言うためには、FSSC22000を取得されることをお薦めします。

ISOにするか、FSSCにするか?

ISO22000とFSSC22000の食品安全マニュアルは同じものです。
異なるのは、衛生管理マニュアルの部分です。
ISO22000の衛生管理をアップグレードしたものがFSSC22000ということになります。

中小企業にとって、いきなりFSSC22000を取るのは、大変で時間も必要です。
それならISO22000を先に取り、慣れてからFSSC22000にアップグレードする方法があります。
ISO22000は、FSSC22000より難易度が低く取り組みやすいと言えます。
衛生管理を強化するだけでFSSC22000が取れるのでムダになる部分はありません。
以上のようなことから、ISO22000とFSSC22000の選択に迷われているのであればISO22000をお薦めします。

ISO22000のことをもっと知るには?

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私が書いた参考書があります。
取る前に読む本ISO22000編

詳しくISO22000を知りたい方や、これからISO22000の取得に取り組みたい方は、『取る前に読む本 ISO22000編』をお読みください。

・ISO22000を取得するためには何をしなければならないか?
・そもそもISO22000を取得するとはどういうことか?
・ISO22000の導入に失敗しないためのポイントは?
など、取る前に知っておくべきことをまとめました。

詳しくは「取る前に読む本 ISO22000編」をご覧ください。
※この本は販売を終了しました。ありがとうございました。

ISO22000・FSSC22000 認証取得コンサルティング

お客様に安全な食品を提供したい、
食品安全に向けて働く人の意識改革に取り組みたい、
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見積依頼書は下から取り出してください。送り先は見積依頼書の一番下に書いてあります。

ISO22000認証取得コンサルティング 見積依頼書

●ISO22000認証取得コンサルティング見積依頼書(新規用) EXCEL版 PDF版

FSSC22000 移行コンサルティング 見積依頼書

●FSSC22000 移行コンサルティング 見積依頼書 EXCLE版 PDF版

こちらの見積依頼書は次の移行の見積依頼に使用して下さい。
 a ISO22000をFSSC22000に移行
 b 追加要求事項Ver5.1をVer6.0に移行

※お役立ち情報

ISO22000を導入して時代のニーズに応えるには!

店舗で販売した惣菜や学校給食まで、食品による食中毒事故が報じられると消費者だけでなく生産者側も不安になるものです。食品安全マネジメントシステム(FSMS)のひとつであるISO22000は、近年になってますます食の安全に対する関心が高まるなか時代のニーズに応えるべく誕生した規格といえるでしょう。ここではISO22000の内容に触れながら認証取得するポイントについて説明します。

1.ISO22000とHACCP

食品安全マネジメントシステムは「Food Safety Management System」の頭文字をとって「FSMS」と呼ばれることもあります。通称「ハサップ」ことHACCPやISO22000は食品安全マネジメントシステムに含まれますが、どう違うのでしょうか。
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は「危害分析重要管理点」と訳せます。1960年代にNASA(アメリカ空港宇宙局)が宇宙食の安全性を確保するため考案したのが起源とされます。HACCPは、食品を保存、製造、出荷する際にどの工程で食中毒菌や異物の混入が起きやすいかといったハザード(危害)を分析して、それをどの段階で殺菌したり異物を取り除けば健康被害を回避できるかを決定し実施する手法です。各国の食習慣等に応じて安全基準に差があり、日本国内だけでも目的や認証団体ごとに審査基準が違います。
それに対して世界基準として通用する規格がISO22000です。ISOはスイス・ジュネーブに本部を置く非政府機関「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」の略称です。ISO9001(品質マネジメントシステム)やISO14001(環境マネジメントシステム)などマネジメントシステム規格や国際標準類を発行しており、ISO22000は食品安全マネジメントシステム(FSMS)に関する国際規格になります。
HACCPは食品製造の工程を管理する衛生管理の手段として1970年以降「食品安全のガイドライン」として使われてきました。しかし食品の安全はフードチェーン全体(農場から食卓まで)に関わる組織がコミュニケーションしながら取り組まなければ確保できません。  
HACCPの弱点を強化し、フードチェーン全体が取り組めるようにすることを目指して作られたのがISO22000です。ISO22000の要求事項は汎用性があり、規模や複雑さを問わず、フードチェーンの全ての組織に適用できるものとして作られています。これには食品製造に直接又は間接に関与する組織が含まれ、飼料生産者、動物用食品生産者、野生植物及び動物の採取者、農家、材料の生産者、食品製造業者、小売業者、食品サービス、ケータリングサービス、清掃・洗浄及び殺菌・消毒業者、食品輸送業者、食品保管業者、食品に接触する材料の供給者も含まれ、これらに限定されるものではありません。珍しいケースとして食品工場で使用する作業服をクリーニングする業者もISO22000を取得しているところがあります。

2.ISO22000の要求事項

ISO22000は、従来のHACCPの考え方も包含する規格となっています。
ISO22000の要求事項は箇条4.1から始まり箇条10.3までにまとめられておりこの章立ては他のマネジメントシステム規格と同じになっています。
箇条4.1は組織及びその状況の理解とされており、FSMSの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与える外部及び内部の課題を明確にすることを求めています。
箇条4.2ではFSMSに密接に関連する利害関係者とその利害関係者がどのような要求をしているかを明確にすることを求めています。箇条4.3では上記4.1及び4.2を考慮した上で適用範囲を決定することを求めています。箇条4.4ではFSMSを確立し、実施し、維持し、更新しかつ継続的に改善することを求めています。

箇条5ではトップマネジメントにFSMSについてのリーダーシップを発揮することと強く関わってなし遂げること(コミットメント)を求めています。箇条5.2では社内の状況に適した食品安全方針を確立し社内の全ての階層に伝達し理解させ、適用されることを要求しています。箇条5.3では、組織の役割と責任と権限を明確にして社内に伝達して理解させることを要求しています。箇条6ではFSMSを計画するときリスクと機会を決定し、どのように取り組むか、どのように評価するかを計画することを求めています。

箇条7は支援と書かれており、インフラストラクチャーの管理、作業環境の管理、外部で開発されたFSMSの要素、購買管理、力量、認識、コミュニケーションと続きます。
箇条7.5では文書化した情報の管理つまり文書管理と記録の管理があります。
箇条8では、運用についての要求があります。
8.2では前提条件プログラムとして作業場内外の一般衛生管理についての要求が書かれています。ここではISO/TS22002シリーズの該当のパートと該当する規格、実施規範及び指針を活用することを促しています。
8.3はトレーサビリティシステムの要求があり、どこから入荷した材料を使用して製造した製品を誰に渡したのを記録し、問題が発生した際に回収が可能になるようにしておくことを要求しています。また作成されたトレーサビリティシステムが有効であることを検証、試験する要求もあります。
箇条8.4では、緊急事態への準備及び対応として、緊急事態発生時に備えることを要求しています。箇条8.5ではハザードの管理、箇条8.5.1ではハザード分析を可能にする予備段階として①原料、材料、及び製品に接触する材料の特性をハザード分析に実施するために必要となる範囲で明確にすることを求めています。
②意図した用途では、間違った取り扱いや製品の誤使用を考慮しハザード分析で必要となる範囲で文書化することを求めています。また特に無防備と判明している消費者やユーザーグループを明確にすることを求めています。③フローダイヤグラムの作成では、製造工程をフローにまとめることが必要となります。④作成されたフローダイヤグラムは現場検証して間違っていないことを確認する必要があります。⑤続いて工程及びこうてんの環境の記述では食品及び非食品取り扱い区域を含む構内の配置等を記述する必要があります。箇条8.5.2ではハザード分析を実施します。続いてハザード評価を行ないます。ここでは管理手段の適用前に最終製品中で発生する起こりやすさと意図した用途との関連で起きる健康への悪影響の重大さを考慮してハザード評価を実施します。箇条8.5.2.3では管理手段の選択及びカテゴリー分けを実施します。

ISO22000は『ISO22000規格要求事項』を満たす形で構築していきます。この規格要求事項はPDCA(Plan/計画、Do/実行、Check/評価、Act/改善)で構成されています。従ってこの規格要求事項を用いることで自動的にPDCAが回る仕組みができあがります。

3.ISO22000認証取得までの流れと費用

PDCAサイクルを行ってシステムを構築したら審査を依頼します。第1段階審査(構築状況の確認)からおよそ1か月後に第2段階審査(運用状況の確認)が行われ、その1か月後に判定されて登録証が発行されます。それから1年目、2年目に定期審査が行われ、3年毎に更新審査実施され認証が継続されていきます。
ISO22000の認証取得には審査機関に支払う審査費用がかかります。場合によって差がありますが、初回は従業員100人程度の事業所で120万円前後は見ておきましょう。その後も審査費用はかかりますが、初回よりは低額になります。
コンサルタントを起用する場合は、コンサルタント料が別途必要になります。

アイソ・ラボ株式会社